リーグってどんな映画?




 『リーグ・オブ・レジェンド』って、こんな映画

 これは正に『夢の共演』!大人から子供まで誰もが知ってる小説の中のヒーロー達が勢ぞろい!
 インディ・ジョーンズのオリジナル、『キング・ソロモンの秘宝』の探検家、アラン・クォーターメン、『吸血鬼ドラキュラ』のミナ・ハーカー、『海底2万里』のキャプテン・ネモ、『透明人間』の泥棒紳士、ロドニー・スキナー、『ジキル博士とハイド氏』のジキル&ハイド、『トム・ソーヤーの冒険』の、ここではアメリカの秘密諜報員であるトム・ソーヤー、『ドリアン・グレイの肖像』の不死者、ドリアン・グレイ。
 人知を超えた能力を持つ超紳士達が、19世紀末のロンドンで、パリで、ヴェニスで、大暴れ!!これぞまさしく超娯楽大作アクション・アドヴェンチャー!!
 

STORY

 時は1899年、新しいものと古いものが交差し、新たな世紀を迎えようとしているこの時代。ヨーロッパ列強は互いに牽制しあい、戦争の危機を迎えていた。今や七つの海を制覇し、世界にその名を轟かせる大英帝国もそのひとつ。
 ある日、ロンドンの英国銀行が何者かに襲われ、レオナルド・ダ・ヴィンチによるヴェニスの設計図が盗まれる。時同じくして、ドイツでは開発途中の飛行船が何者かによって破壊された。互いに互いを疑いあい、戦争か!?と世間が騒ぐ中、英国政府はある計画を実行する事になる。
 政府の軍事情報部の“M”(リチャード・ロクスバーグ)と名乗る人物が、英国の伝説的探検家、アラン・クォーターメイン(ショーン・コネリー)をロンドンに呼び寄せる。Mはアランに超人的な能力を持つ人物たちを集め、チームを作り、一連の事件を解明し、戦争を回避してほしい、と依頼した。
 アランはその場に集まった吸血鬼のミナ・ハーカー(ペータ・ウィルソン)、巨大潜水艦、『ノーチラス号』を操るネモ船長(ナサーラディン・シャー)、透明人間のロドニー・スキナー(トニー・カラン)と共に、他の仲間を集めに行く。そして不死者のドリアン・グレイ(スチュアート・タウンゼント)、アメリカの秘密諜報員トム・ソーヤー(ショーン・ウェスト)、2重人格者のジキル博士とハイド(ジェイソン・フレミング)を引き入れる。こうして超紳士同盟(The League of Extraordinary Gentlemen)を結成し、一行はこの一連の事件の首謀者、『ファントム』を突き止め、その真意を追求するのだが・・・・

みどころ

 冒頭でも述べたように、この映画で注目すべきは有名すぎる小説の主人公達による夢の共演。息もつかせないアクション・シーンやVFXを駆使した(某緑色の方に比べて)見事に映像化したジキル博士→ハイドへの変身シーン。目も見張るような大きさのノーチラス号やその色彩や装飾が美しい、スタッフもこだわったスーパーカー、ネモービル。雰囲気たっぷりのロンドンやパリ、ヴェニスの街の風景。特に冒頭の夜のロンドンの様子は、まるでタイム・スリップでもしたかのようにリアルで、レトロでどこか懐かしい印象を覚えるだろう。
 さらに見ごたえのあるアクション・シーンの数々!何しろ、超個性的な人物が7人もいるのである。各々の闘い方にも個性があり、かつ誰もが見せ場というものを持っていて、観客を飽きさせない。
 アランは像撃ち銃で800メートル先の標的も外さない、ミナは蝙蝠を従え夜の闇を飛び交い、敵の喉元に食らいつく。ネモ船長は体術で華麗に舞い、敵を蹴散らし、ロドニーは姿を隠し、こっそり攻撃をしかけ、ジキルはハイドに変身し、その怪力ぶりを見せつける。ソーヤーは二丁拳銃で撃ちまくり、ドリアンはマシンガンの乱射をその身に受けながらも涼しい顔で相手をサーベルで切りつける。
 この映画はただ派手!という訳ではない。超人的な力を持つ彼らも、それぞれにスネに傷を持っており、何かしら悩みや問題を抱えている。例えばアランは妻と息子を亡くしており、今だ悲しみが消えない。しかも息子は自分と探検中に亡くし、その負い目を感じている。ミナは亡き夫を想いつつも、かつての恋人ドリアンとの再開に少なからず動揺している。ロドニーは泥棒、ということから仲間からなかなか信用してもらえない。ジキルは自分の中のもう1人の自分の悪の化身、ハイドに日々悩まされている。
 そんな彼らの葛藤は彼ら自身をピンチへ誘うが、それを共に切り抜ける事で、新たな硬い結束を築く事になる。この映画はアクションだけではなく、一人一人の成長の過程も描いているのである。

 この映画の原作はアメリカン・コミックスの『The League of Extraordinary Gentlemen』。原作者はカリスマ漫画家、アラン・ムーア。彼の作品が映画化になるのは切り裂きジャック事件を扱ったサスペンス、『フロム・ヘル』に続いて2作目。
 イギリスの喜劇集団モンティ・パイソンのメンバーであり、『12モンキーズ』や『未来世紀ブラジル』の監督もしたテリー・ギリアムやマトリックスのウォシャスキー兄弟も彼の原作を映画化しようと試みた事があるという。
 ちなみに、ドリアン・グレイやトム・ソーヤーは映画オリジナルキャラ。
 今現在コミックは2巻まで出版されている。日本語訳はされていないものの、その内容を翻訳しているサイトもあるので、そちらを照らし合わせて原作の世界を楽しむのもいいだろう。

知ってるとお徳?『リーグ』のトリビア

○原作者アラン・ムーアは、本当はミナ・ハーカーではなく、シャーロック・ホームズでホームズをギ ャフンと言わせた唯一の女性、アイリーン・アドラーを登場させたかった。
○ジキル&ハイド役のJ・フレミングはムーアのファンで、『フロム・ヘル』にも出演している。TVゲー ムが大好き!
○S・コネリーがイギリスの秘密めいた場所で英国政府の高官、Mから指令を受ける。往年の007ファンは思わず笑いがこぼれるのではないだろうか。
○007ファンで、さらにシャーロキアンであるならば、ちょっとしたひっかけが待っているだろう。ホ ームズ作品に出てくる『とある人物』のフルネームは?
○ノーチラス号内のアランの部屋の机には、当時ホームズが連載されていた雑誌、『ストランド・マ ガジン』が置かれている。

Ladies and Gentlemen!!

 この映画の魅力は語っても語りきれない。観る人を選ぶ映画、と評する人もいるが、一度ツボにハマるとたまらない作品である。例えオリジナルの話を知らずとも、頭を空っぽにして観れば、映画本来の『娯楽』という要素を十二分に堪能できる作品である。

それでは、ご堪能あれ!


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